独立か転職か?行政書士合格者(30代・40代)が選ぶキャリアの分かれ道【保存版】

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112 独立か転職か?行政書士合格者(30代・40代)が選ぶキャリアの分かれ道

「行政書士に合格した。ここから、何を選べばいいのか。」
30代・40代の合格者から、真っ先に寄せられる悩みです。

結論から言えば、どちらも正解になり得ます。重要なのは、自分の強み・時間・家計・将来像に合わせて、踏み出す順序と負荷を設計すること。
本稿は次の3点を行動に落とすことを目的に作りました。

  • 独立転職、それぞれの「向く人」「向かない人」を数字と作業量で比較
  • 「今日からできる」低負荷な実行メニュー(夜20分)
  • 未経験でも信頼を得られる小さな実績(ミニ実績)の作り方と書類テンプレ

読み終える頃には、「どちらを選ぶか」だけでなく、今日の20分で何をするかまで決まります。


目次

行政書士の仕事と市場:今、何に需要があるのか

扱える主な業務

  • 許認可:建設業許可、産業廃棄物収集運搬、古物商、飲食店、旅館業 など
  • 相続・遺言:遺言書作成サポート、相続関係説明図、遺産分割協議書の作成支援(裁判業務は除く)
  • 在留資格:就労・家族滞在・永住などの申請取次
  • 契約書:売買・業務委託・秘密保持などの契約作成と見直し

市場動向(要点)

  • 相続・遺言:高齢化で相談数が右肩上がり。家族構成が多様化し、争いを予防する書面整備の需要が増加。
  • 在留資格:訪日・就労の回復で法人の採用・更新実務が安定需要に。
  • 許認可:小規模事業の新規参入が続き、**“手続きの丸投げ先”**のニーズが継続。
  • 契約:中小企業が法務を外注する動きが定着。テンプレ化・定額化に勝ち筋あり。

まとめ:相続/許認可/在留/契約は、地域差はあっても底堅い。まずは1分野+関連分野の“2本軸”にすると、受任の導線を作りやすいです。


独立と転職を「数字・作業量」で比べる

項目独立転職
初期投資事務所・HP・広告:10〜50万円程度(在宅+低コスト運用可)不要
収入不安定だが上振れあり(1年目200〜400万、3年目500〜800万、上位1,000万超)安定(350〜700万が目安・企業規模と職務で変動)
学び方案件を受けながら自力で設計・改善上司・同僚・マニュアルから体系的に吸収
1日の作業営業・面談・作成・経理・広報を全部自分担当業務に集中
合う人営業耐性がある/人脈・紹介の見込みがある/自走できる安定志向/専門性を深めたい/生活リズムを整えたい
リスク管理収入不安・集客難→副業で試すと軽減組織のルール・異動などの制約

迷ったら:「副業で試す → 手応えがあれば比重を上げる」が最も安全。次章で“夜20分”の低負荷メニューを提示します。


体験談:30代・40代のリアル

事例1|40代男性・元法人営業 → 建設業許可で独立(3年目:年収800万円)

「名刺を持って既存の取引先を1社ずつ訪問。『工事業の新設と更新、丸ごと任せてください』と“資料3点セット”(必要書類一覧・スケジュール・料金表)を渡しました。1年目は更新中心で収入は細かったのですが、2年目から新設+経審の継続が増えて安定。“遅れない・連絡を切らさない”を徹底したのが効いたと思います。」

事例2|30代女性・一般事務 → 行政書士法人(相続部門)→ 5年目独立

「法人で相続関係説明図と遺産分割の書類調整を徹底的に覚えました。独立後は“相続の初回整理”だけの定額プランを用意。30分ヒアリング→必要書類リスト→相続関係図を2週間で納品する形が好評で、税理士・司法書士との連携が自然に増えています。」

事例3|40代男性・不動産出身 → 転職(法務・契約担当)→ 兼業で契約書スポット

「企業内で契約の型を磨きながら、紹介案件の契約チェック土日だけ受ける。本業に支障なく経験を積め、独立の下地ができました。宅建×行政書士の言語が重なるので説明が速いのも強みです。」

共通点:“今日から使える資料”を持ち、短時間で筋道を立てる。これだけで信頼が変わります。


今日からできる「ミニ実績」の作り方(未経験でも面接・営業で刺さる)

ミニ実績とは、小さくても数字で語れる成果のこと。家族・友人・知人・自社の想定ケースでOKです。

① テーマを1つ選ぶ(迷ったらこの3つ)

  • 許認可:建設業許可の必要書類と流れ1枚に整理
  • 相続初回ヒアリング票(家系・資産の概略・意向)を1枚
  • 契約業務委託契約のチェックリスト(禁止・再委託・知財・損害・解除)

② 20分で作る“1枚”テンプレ(道具はExcelでもWordでも紙でも可)

  • 進行表:作業工程と標準日数(例:役所問い合わせ1日、書類収集7日、申請1日)
  • 必要書類リスト:誰が・どこで・いくら・何日かかるか
  • 料金表の素案:基本料金/追加書類/特急対応
  • 連携先メモ:司法書士・社労士・税理士・翻訳など

③ 職務経歴書の書き方テンプレ(数字を入れる)

  • 許認可:「建設業許可の進行表(7工程)と必要書類リストを作成。役所ごとの差異を表にし、問い合わせ時間を50%削減。」
  • 相続:「初回30分ヒアリング票を策定。家系・資産・意向を1回で整理し、必要書類の案内ミスゼロを実現。」
  • 契約:「業務委託契約のチェックリストを作成し、確認時間を30%短縮紛争リスクの高い条項の優先順位を数値化。」

ポイント:“学びました”より“改善しました”回数・日数・削減率など、どれか一つは数字にする。


低負荷で続く「夜20分」メニュー(平日)+「週末60分」メニュー

平日(各20分・どれか1つ)

  1. 必要書類リストに役所名・手数料・担当課の電話を追記
  2. 相続ヒアリング票の質問文を短く(「どなたの名義ですか?」→「名義人」)
  3. 業務委託契約のチェック項目を10→8に削る(優先度順)
  4. 職務経歴書の冒頭100字を「何ができるか」で更新
  5. 過去案件の失敗・遅延事例を1件読み、予防一言メモを書く

週末(各60分・2コマまで)

  • テンプレのダミー記入(仮の事例で1往復)
  • 友人・家族に10分ヒアリング→録音→自分の話し方を聞き直す
  • 自作資料をA4両面1枚に圧縮(面接・営業で配れる形に)

重要:長時間は不要短く、回数で勝つ。面倒な日は「役所名1つ追加」だけでも合格です。


転職で選ぶべき求人・避ける求人(見分け方の実例)

選ぶべき

  • 未経験歓迎と併記で**「研修の中身」**が具体的(期間/講師/評価方法)
  • 評価指標が明示(提出期限遵守率、問い合わせ応答時間など、数値で管理)
  • 連携士業が複数名。紹介経路が見える(税理士○名、宅建業者○社 など)

避けるべき

  • 高額歩合だけを強調(仕組み・教育の弱さを補うための場合あり)
  • 法令遵守の記載が薄い(広告表現・報酬表示・預り金管理)
  • 残業代や休日の説明が曖昧(長期で消耗する可能性)

面接で信頼をつかむ「冒頭30秒」テンプレ

「行政書士合格後、建設業許可の進行表相続の初回ヒアリング票を作りました。必要書類と標準日数を1枚で説明できるようにしており、問い合わせ時間の削減抜け漏れの予防に効果があります。初回30分で道筋を示すのが得意です。」

持参すると効果的なもの(紙1枚+タブレット1画面)

  • 紙:必要書類リスト(ダミー)
  • 画面:工程表(ガントチャート風)
    「今日からこの人に任せられる」と伝わります。

独立を選ぶ場合:最初の90日プラン(副業OK仕様)

0〜30日:準備

  • 名刺/簡易LP(1ページ)/Googleビジネスプロフィール
  • サービス3本(例:建設業許可更新、相続初回整理、契約チェック)に絞る
  • 料金と納期を固定(追加条件も明記)

31〜60日:検証

  • 既存人脈(前職・友人・家族)に案内メッセージ(200字)
  • 相談1件ごとに質問票を改良作業時間を計測
  • 紹介してくれた人経過報告(信頼の往復)

61〜90日:拡張

  • 同業連携(税理士・司法書士・社労士・翻訳)に1分資料を持参
  • Google口コミの土台作り(実名を避けても良い内容で所感を依頼)
  • 問い合わせが増えたら“受けない仕事”の条件を明文化

最初の受注は更新・変更・相談整理の小口で問題ありません。遅れず、丁寧に、確実にが最大の広告です。


行政書士×ダブルライセンス(宅建・FP・社労士)の相性

組み合わせどこで効くか具体例
行政書士 × 宅建住宅・不動産・開発許認可不動産売買の契約書整備+開発の事前相談
行政書士 × FP相続・事業承継・家計相続ヒアリング→見える化→連携の一本化
行政書士 × 社労士建設・運送の許認可+労務建設業許可+就業規則のパッケージ

まずは連携から始め、必要に応じて受験へ。“相談→書類→手続→アフター”を一気通貫で提供できると、単価と紹介が上がります。


よくある落とし穴と回避策

  • 営業が苦手
    資料1枚を先に渡し、“初回は概要だけ”にする。売り込まず、次回の段取りだけ決める。
  • 価格競争に巻き込まれる
    納期・進行管理・連絡頻度を価値として提示。**“遅れない・拾い漏らさない”**に価格がつく。
  • 情報の誤提供
    根拠のURL・法令名を資料の下部に記載。曖昧な点は持ち帰る
  • 副業バレ
    → 就業規則と住民税の徴収方法を確認。案件情報は個人情報・秘密情報を厳守。

おすすめ通信講座・転職サポート

  • アガルート|行政書士/相続特化講座
    書式と実務の橋渡しに強み。初回ヒアリング票など“今日使える”資料作りに向く。
  • フォーサイト|行政書士
    フルカラー教材で法令の整理が速い。短時間学習の相棒。
  • スタディング|行政書士
    スマホ学習・音声ダウンロード・倍速対応。通勤20分で条文の骨子を反復。

価格だけでなく、毎日20分で使い続けられるかで選ぶのがコツです。

体験談

  • Mさん(42歳・元メーカー営業)
    「資料1枚を持って既存の取引先に“更新時だけ手伝わせてください”と回りました。小さな仕事でも期日厳守で信頼が積み上がり、2年目に紹介が倍増。価格より遅れないが効くと実感しました。」
  • Sさん(36歳・経理)
    「法人で契約の型を身につけ、土日に知人の契約チェックをスポット対応。録音→言い回しを直すを繰り返し、面談30分の設計が安定しました。」
  • Kさん(45歳・元不動産)
    宅建×行政書士で住宅・相続の窓口を一本化。“誰に何を頼めば良いか分からない”という不安を手順で見せるだけで、受任率が変わりました。」

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まとめ:決め方の順序と、今夜の20分

決め方の順序

  1. 家計と時間を確認(3か月の安全圏)
  2. 強みと興味で主軸1分野+関連1分野を決める
  3. “1枚資料”(必要書類リスト/工程表/チェックリスト)を作る
  4. ミニ実績を1件つくり、数字で表現
  5. 副業→転職or独立の比重を調整

今夜の20分(どれか一つ)

  • 建設業許可の必要書類を3つ、集め方と費用つきで書く
  • 相続ヒアリング票の質問を5つ、短文化する
  • 業務委託契約の確認項目を8つに削る
  • 職務経歴書の冒頭100字を「できること」中心に書き直す

一歩の軽さが、最後の到達点を決めます。まずは20分。今日、机に座れたあなたは、もう半歩進んでいます。


編集後記

行政書士の価値は、書類を作る力だけではありません。
依頼者の不安を順序立て期限までに迷いなく終点へ運ぶ力です。
完璧を目指さず、短く、回数で。その積み重ねが、あなたの看板になります。

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