「行政書士試験に合格した。でも登録実務講習って何?いつ、いくらかかる?」
こんな不安をよく聞きます。特に30〜40代は、仕事・家庭・お金の制約が大きい世代。先に具体像とスケジュールが見えていれば、ムダな出費や遅れを避けられます。
本記事では、登録実務講習の費用・内容・申し込み手順を、初めての方にも分かるように整理。さらに体験談、低負荷の学習プラン(夜20分固定)、A4ひな形、失敗しないチェックリストまで用意しました。
読み終わるころには、今日やるべき3つの行動がはっきり分かります。

この記事の結論(すぐ分かる要点)
- 実務経験が2年未満の合格者は、登録実務講習が必須です。
- 費用はおおよそ5〜6万円。期間は2〜3か月(通信+2日間のスクーリング)。
- 講習を修了しないと行政書士登録ができません(修了証が必要)。
- 合格発表直後に申込→通勤10分&夜20分の固定ルーティンで課題を進めると、仕事と両立しやすい。
- 申し込みの遅れ、課題の後回し、スクーリングの満席が典型的なつまずき。先にカレンダーをブロックするのがコツ。
まず「登録実務講習」とは?
登録実務講習=実務経験が2年未満の合格者が、行政書士として登録する前に受ける必須の講習です。
- 実施機関:日本行政書士会連合会(「日行連」)が指定した教育団体
- 対象:行政書士試験合格者で実務経験が2年未満の人
- 学習方法:通信学習+スクーリング(集合研修2日程度)
- 修了条件:指定の課題提出とスクーリング出席 → 修了証が発行
- なぜ必要?:合格者の知識と実務のギャップを埋め、倫理・書類作成・相談対応の基礎を固めるため
用語の補足
- 単位会:各都道府県の行政書士会のこと。登録や入会手続きは自分の居住地等の単位会で行います。
- 日行連:日本行政書士会連合会。全国の行政書士会を束ねる機関です。
費用はいくら?(相場と内訳)
相場:約5万〜6万円(テキスト代込みのケースが多い)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受講料(相場) | 50,000〜60,000円 |
| 含まれるもの | 教材一式、課題採点、スクーリング受講 |
| 追加費用になり得るもの | スクーリングの交通費・宿泊費、再受講費(未修了時) |
| 支払い | 一括が基本。分割・早割がある団体もある |
注意:団体名や金額は年度・地域で変わります。最新の募集要項を必ず確認してください。
学習内容と流れ(2〜3か月の全体像)
全体の標準スケジュール(例:合格発表の翌月から開始)
- 教材で通信学習(2〜6週間)
- 行政書士業務の流れ(相談→受任→書類→提出)
- 許認可(建設業・古物商 等)、相続関連(遺言・遺産分割協議書 等)
- 契約書の基本、守秘義務・利益相反などの倫理
- 小テスト/課題の提出(添削あり)
- スクーリング(2日間)
- 相談ロールプレイ、申請書・契約書の作成演習
- 先輩講師のフィードバック、質疑応答
- 修了証の発行(1〜4週間)
- これが登録申請の必須書類になります。
申し込み〜修了までの手順(カレンダーに落とす)
| 手続き | 目安時期 | やること |
|---|---|---|
| ① 募集開始の確認 | 合格発表直後〜 | 希望団体のサイトで開催回・座席数をチェック |
| ② 申込 | すぐ | 申込フォーム入力、受講料の支払い |
| ③ 教材到着 | 1〜2週間後 | 開封→スケジュールを紙に書く |
| ④ 通信学習 | 2〜6週間 | 夜20分の固定+通勤10分の反復 |
| ⑤ スクーリング予約 | 申込時 or 受講中 | 都市部は満席が早い。日程最優先で確保 |
| ⑥ 修了証受領 | スクーリング後1〜4週間 | 登録申請の必要書類にセット |
コツ:スクーリング日を先に押さえる→逆算で通信課題を進めると、締め切りに追われません。
30〜40代向け:低負荷で続く行動設計(夜20分設計)
- 通勤10分:スマホの一問一答で用語→定義だけ確認
- 夜20分:課題の1問だけ/書式の1パーツだけ作る
- 余力がある日は最大40分まで(毎日長時間はやらない)
- ノート禁止:教科書や演習の余白に1行メモ(誤答の理由・迷った点)
- 週1回(30分):見直し会。×印だけをやり直す
例:1日の最小タスク
「今日は建設業許可の要件を5個だけ覚える」→余白に1行メモ「役員の欠格事由を見落としがち」
スクーリングを成功させる準備(A4ひな形あり)
A4ひな形:スクーリング準備チェックリスト
- 日程/会場/集合時間
- 交通手段・所要時間・乗換
- 必携物:受講票、本人確認書類、筆記用具、付箋、蛍光ペン、静かなメモ用紙(A4)、印鑑(必要なら)
- 服装:動きやすく清潔なもの(スーツ/ビジネスカジュアル)
- 事前問:講師に聞きたいこと(例:相続の初回面談の聞き取り項目)
- 緊急連絡先:実施団体・会場・家族
印刷してチェックを入れるだけでOK。忘れ物と遅刻がゼロになります。
体験談
体験談①:38歳男性/メーカー総務 → 行政書士登録へ
「合格後の気のゆるみが怖かったので、合格発表の週に申込みました。通勤の10分暗記と夜20分を習慣化。スクーリングでは相談ロープレが一番の収穫でした。修了証は受講後3週間で到着。登録まで2か月弱、想像よりスムーズでした。」
体験談②:42歳女性/時短勤務の事務 → 子育てと両立
「課題を後回しにして2回締切ギリギリ。そこでカレンダーに毎日20分の枠を固定。付箋に“今日の1問”を書いて冷蔵庫に貼りました。スクーリングは地方開催を選んで交通費を6,000円節約。費用合計は約****56,000円でした。」
体験談③:45歳男性/不動産営業 → 将来の独立準備
「不動産の現場経験はあっても、行政書士の書式は別物。スクーリングで契約書のチェック観点が明確になりました。A4ひな形(初回面談チェックリスト)を作って持参したら、講師に『そのまま現場で使える』と言われて自信に。受講料は55,000円、修了証は約1か月で届きました。」
※金額・期間は一例です。年度・団体・地域で変動します。
よくある失敗と解決策
| 失敗例 | よくある原因 | すぐできる対策 |
|---|---|---|
| 申込が遅れて満席 | 合格後にひと休み | 合格発表週に申込。まずは席を確保 |
| 課題が終わらない | 完璧にやろうとする | 夜20分で「1問だけ」。1行メモで前進を記録 |
| スクーリングで迷子 | 事前確認不足 | A4チェックリストで動線と持ち物を固定 |
| 修了証の到着待ちが長引く | 思い込み/問い合わせ不足 | 受講団体の目安期間を確認。期限超過なら即連絡 |
| 登録スケジュールがずれる | 単位会の手続期間を把握していない | 単位会(都道府県の行政書士会)のHPで必要書類と期間を確認 |
申し込み前の比較ポイント(ムダな出費を避ける)
- スクーリング会場と日程:近い/行きやすい/休日開催があるか
- 教材の分量と課題数:仕事と両立できるペースか
- サポート:質問対応の有無/メール返信の早さ
- 支払い:早割・分割の有無
- キャンセル規定:日程変更や返金条件
登録までのロードマップ(テンプレ)
- 合格発表週:申込(スクーリング日を先に確保)
- 翌週:教材到着→夜20分開始(1問だけ/1パーツだけ)
- 2〜3週目:課題提出1回目(×の理由を余白に1行)
- 4〜6週目:課題提出2回目+小テスト
- スクーリング(2日)
- 修了証受領(1〜4週間)→単位会へ登録申請
- 登録完了(名刺・HP・メール署名を作成)
参考:費用を抑えるコツ(小ワザ集)
- 地元会場を選ぶ(交通費・宿泊費をゼロに)
- 早割/キャンペーンのある回で申し込む
- 自宅プリンターのインク代対策(節約印刷・PDFで提出できるか確認)
- 使い回せるA4ひな形を最初に作る(下にテンプレを用意)
A4ひな形(コピペOK)
1)進捗管理シート(登録実務講習)
- 受講団体/受講番号:
- スクーリング日:
- 通信課題ToDo:□第1回提出 □第2回提出 □小テスト
- 今日の20分タスク:__________
- 1行メモ(迷い・誤答理由):
2)初回相談チェックリスト(相続版・スクール練習用)
- 続柄/世帯・家族構成
- 不動産の有無(所在地・名義・評価の目安)
- 預貯金・有価証券の有無
- 借入・保証の有無
- 希望(遺言の有無、誰に何を引き継ぎたいか)
- 関係者の同意状況/連絡先
- 次回までの宿題(戸籍請求・不動産登記事項の取得 等)
どちらもA4に1枚。面接・スクーリングでそのまま使えます。
FAQ
Q1. 実務経験とは何を指しますか?
A. 行政書士業務に2年以上従事した客観的な実績です。自己申告ではなく、勤務先の証明などが求められます。該当しなければ講習が必須です。
Q2. いつ申し込めば良い?
A. 合格発表の週が理想。人気会場は数日で満席になります。
Q3. 仕事が忙しくて課題が不安です。
A. 夜20分固定で1問だけ進める方式がおすすめ。余力がある日は40分まで。ノート作りは禁止、教材の余白に1行メモが最短です。
Q4. 修了証はどのくらいで届きますか?
A. 目安は1〜4週間。団体・時期で変わります。期限を過ぎたら問い合わせを。
Q5. 受講団体の選び方は?
A. 会場距離・日程・課題量・サポートの4点で比較。返金・日程変更規定も確認してください。
まとめ(今日からの3手)
- スクーリング日を1つ確保(申し込み→カレンダーに固定)
- 夜20分の枠を毎日入れる(通勤10分の暗記をセット)
- A4ひな形を印刷(進捗シート/相続チェックリスト)
これで登録までの“見えない不安”が消えます。 あとは、小さな前進を毎日積み重ねるだけです。
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