「iDeCo(イデコ)は節税できるって聞くけど、受け取るときにも税金がかかるの?」
「退職金や年金と一緒に受け取ると損をするって本当?」
30代・40代で行政書士合格を目指している方の中には、将来の資産形成を考えてiDeCoを始める人も増えています。
しかし、iDeCoは“受け取り方次第で税金が大きく変わる”ことをご存じでしょうか?
本記事では、
- iDeCoの3つの受け取り方
- 退職金・年金との併用による課税リスク
- 30代・40代から知っておきたい最適戦略
を徹底解説します。
節税効果を最大化しながら、将来の老後資金をしっかり守る方法を紹介します。
iDeCoの受け取り方は3パターン
iDeCoの受け取り方法は次の3種類があります。
- 一時金としてまとめて受け取る
- 年金として分割して受け取る
- 一時金+年金の併用
それぞれの仕組みと税制の違いを整理しておきましょう。
【表】iDeCoの受け取り方と課税区分
| 受け取り方 | 課税区分 | 控除の種類 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 一時金 | 退職所得 | 退職所得控除 | 税負担が軽い/退職金と重なると注意 |
| 年金 | 雑所得 | 公的年金等控除 | 受け取り時期を分散できる |
| 併用 | 退職所得+雑所得 | 両方の控除を使える | 柔軟な受け取りが可能 |
一時金受け取りのメリット・デメリット
メリット
- 退職所得控除が適用され、税金が大幅に軽減
- 一度に受け取れるため、住宅ローン完済や教育費に充当可能
デメリット
- 勤務先の退職金と同じ年に受け取ると控除額が減る可能性あり
【表】退職所得控除の計算式
| 勤続年数 | 控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数 |
| 20年超 | 800万円+70万円 ×(勤続年数−20年) |
例:勤続25年の会社員の場合
退職所得控除額 = 800万円+70万円×5年=1,150万円
👉 つまり、iDeCo+退職金の合計が1,150万円以内なら、税金はゼロになります。
年金受け取りのメリット・デメリット
メリット
- 公的年金等控除が適用されるため、少額なら非課税または低税率
- 受け取り時期を分散できるので、退職金と重ならない
【表】公的年金等控除(65歳未満の場合)
| 年金収入額 | 控除額 |
|---|---|
| 60万円以下 | 全額控除(非課税) |
| 60万円超〜130万円以下 | 60万円 |
| 130万円超〜410万円以下 | 収入金額×25%+27.5万円 |
| 410万円超〜770万円以下 | 収入金額×15%+68.5万円 |
デメリット
- 毎年の確定申告が必要な場合がある
- 長寿リスクやインフレリスクも考慮が必要
退職金とiDeCoを同じ年に受け取ると損する?
実は、退職金とiDeCoを同じ年に受け取ると、退職所得控除が合算されるため注意が必要です。
税金が増えるケース
例:
- 勤続25年 → 退職所得控除 1,150万円
- 退職金:1,000万円
- iDeCo:500万円
退職金+iDeCo=1,500万円 − 控除1,150万円=350万円が課税対象
👉 分離して受け取れば、iDeCo分も控除内に収まり、税金ゼロにできる可能性があります。

一時金と年金の併用が最も効率的?
実務的におすすめなのが、「一時金+年金」のハイブリッド受け取り。
理由
- 一部を退職所得扱い(税軽減)にできる
- 残りを年金扱い(控除分散)で受け取れる
- 退職金との重複課税を避けつつ、税負担を均等化できる
【表】受け取り戦略の比較
| 受け取り方法 | 税金の有利さ | 柔軟性 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 一時金のみ | ◎ | △ | 退職金が少ない人 |
| 年金のみ | ○ | ○ | 定年後も安定収入を望む人 |
| 一時金+年金 | ◎ | ◎ | 税金を最適化したい人 |
30代・40代から知っておくべき受け取り準備
1. 勤務先の退職金制度を確認
企業によって退職金支給タイミングや金額が異なるため、受け取り時期の重複を避ける計画が重要です。
2. 自分のiDeCo口座で受取方法を変更可能
受け取り開始時期(60〜65歳)は自由に設定できるため、退職年の翌年以降に受け取るのが賢明です。
3. 併用プランを早期に設計する
老後資金の出口戦略を「今」から意識することで、節税メリットを最大化できます。

行政書士を目指す30代・40代へのポイント
行政書士受験生の多くは、将来的に独立開業を視野に入れています。
iDeCoの受け取り戦略は、開業時のキャッシュフロー設計にも直結します。
具体例:開業資金を考慮した戦略
- 退職金+iDeCo一時金を開業資金に充てる
- 残りのiDeCoを年金受け取りにして、将来の生活資金に回す
- 税金を抑えながら、独立後の安定収入を確保
👉 iDeCoは「老後の貯金」ではなく、「人生設計の一部」として考えるべきです。
よくある質問(FAQ)
注意点とリスク管理
- 受け取り方の変更には手続き期限あり(退職前に確認)
- 税制改正の可能性もあるため、最新情報をチェック
- 金融機関によって受け取り方法や手数料が異なる
まとめ:iDeCoの受け取り方を知れば、節税効果はさらに大きくなる
iDeCoは「積み立て時に節税」「運用時に非課税」というメリットがありますが、最も重要なのは“受け取り時の戦略”です。
- 退職金と同年受け取りは避ける
- 一時金+年金の併用で控除を最大化
- 退職後のライフプランに合わせて受け取り方を選ぶ
30代・40代の今から「出口戦略」を意識しておくことで、
行政書士として独立後も安定した老後資金を確保できます。
✅ まずは、自分の退職金制度とiDeCoの受け取り方をシミュレーションしてみましょう。

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