はじめに|社会人のリスキリングに立ちはだかる「基礎知識の壁」
行政書士試験を目指す40代のリスキリング層にとって、最大の「落とし穴」となるのが、基礎知識科目での足切りです。行政法・民法をいくら得意にしても、基礎知識で基準点(6問中4問以上)を下回れば不合格が確定します。
中でも頻出かつ対策必須なのが「個人情報保護法」。このテーマは出題頻度が高いだけでなく、内容改正も多いため、最新情報を押さえているかどうかが得点を分けます。
第1章:行政書士試験における「基礎知識」の全体像と特徴
※令和年6度から、「一般知識」から「基礎知識」に変更されています。
なお、出題数は14問のままで変更はありません。
基礎知識の構成(出題数14問)
分野 | 出題数の目安 |
---|---|
情報通信・個人情報保護 | 4問 |
行政書士法等 | 2問 |
政治・経済・社会 | 5問 |
文章理解(読解) | 3問 |

特に個人情報保護法は、文章問題形式で条文知識を問う出題が多く、しっかり対策していれば得点源にできます。
第2章:なぜ個人情報保護法が狙われるのか?
試験で問われる「法改正対応力」
個人情報保護法は、現代社会におけるプライバシーとデジタル情報のバランスを問う重要法律として、頻繁に改正されています。
最近の改正例:
- 2022年施行の改正(令和2年改正法):個人情報の利用停止の範囲拡大、第三者提供記録の本人開示権など
これらは行政実務に直結する内容のため、行政書士試験でも最新改正の反映が非常に早いのが特徴です。

改正内容が出題されるなら、逆に絞りやすいね。
第3章:出題パターン分析|過去問から読み解くポイント
出題傾向①:定義を問う問題(例:個人情報とは?)
頻出項目:
- 個人情報の定義(氏名、識別符号など)
- 要配慮個人情報の範囲
- 匿名加工情報・仮名加工情報
例題:
次のうち、個人情報保護法における「要配慮個人情報」に該当しないものはどれか。
A. 健康診断結果
B. 犯罪歴
C. 氏名
D. 信仰する宗教
(正解:C)
出題傾向②:義務・措置を問う問題
- 利用目的の特定義務
- 安全管理措置(技術的・組織的)
- 委託時の監督義務
出題傾向③:第三者提供と本人同意
- 第三者提供の原則と例外
- オプトアウト方式の要件
- 提供記録と本人への開示義務(改正点)
第4章:社会人が効率よく得点する対策法
ポイント①:テキストは「基礎知識」特化のものを使う
民法・行政法と一緒に学ぼうとせず、基礎知識の頻出テーマだけに特化した市販教材 or 通信講座の対策講義を使うのがベスト。
おすすめ教材:
- 『うかる!行政書士 憲法・商法・一般知識等 解法スキル完全マスター』
- アガルート/フォーサイトの基礎知識講座
ポイント②:頻出条文は「確認テスト形式」で繰り返す
条文知識は、読み込むよりも選択肢形式で判断力を養う方が定着しやすいです。特に「〇〇してはならない」or「できる」の違いは頻出。
対策例:
- 「仮名加工情報」は本人同意なく提供できる→○ or ×?
ポイント③:時事ニュースと紐づけて理解
2023年〜2024年に話題になった以下のトピックと個人情報保護法をセットで学ぶと、記憶に残りやすくなります。
- マイナンバーカードの情報漏洩問題
- AIによる個人情報の活用とリスク
- LINEヤフーの個人情報提供問題



今話題になっている、証券口座の乗っ取り被害のことも、念のため押さえておきましょう。
第5章:40代会社員が「基礎知識」で突破した事例
事例:42歳・製造業勤務・Yさん(初学者)
- 勉強時間:週10時間(3ヶ月)
- 対策:スタディングの講義+過去問10年分
- 一般知識:10問正解(足切りどころか得点源に)
「民法や行政法と違って、出題テーマが限定されている分、やるべきことが見えやすかった。個人情報保護法を中心にやれば、意外と戦える。」
第6章:まとめ|基礎知識=リスキリング成功の分かれ道
行政書士試験における「基礎知識」、中でも個人情報保護法は、40代からのリスキリングを成功させるうえでのキーファクターです。
今日から実践できる3ステップ:
- ✅ 「個人情報保護法」だけにまず集中する
- ✅ 過去問10年分で頻出パターンを把握
- ✅ 最新の改正点を図解・フローで整理
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