――そんな40代の社会人に向けた、挫折しにくい学習ロードマップです。合格率は毎年およそ10%台。ですが、やるべき配点に時間を集中し、夜の負担を最小化すれば、半年〜10か月で十分に狙えます。
試験の全体像と優先順位(まずはここを外さない)
主要科目と配点比率
| 科目 | 出題数 | 配点 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 行政法 | 約19問 | 76点 | 約25% |
| 民法 | 約9問+記述1問 | 56点 | 約18% |
| 憲法 | 約5問 | 20点 | 約7% |
| 商法・会社法 | 約3問 | 12点 | 約4% |
| 一般知識 | 約14問 | 56点 | 約18% |
| 記述式(民法・行政法など) | 3問 | 60点 | 約20% |
👉 鉄則:行政法・民法の2本柱に“学習時間の7割”を投下。
商法・会社法は「頻出テーマだけ」、一般知識は文章理解+情報通信・個人情報で足切り回避に絞ります。
最短合格の基本戦略(低エネルギー設計)
- 机学習 20分/日+スキマ学習 60〜90分/日を基本に。
夜は疲れて集中しづらい前提で「20分だけ」の設計にします。 - インプットと過去問演習を同時進行。
「完璧に理解してから解く」はNG。見出しとキーワードを口で言えたら即、過去問へ。 - 夜は“清書”ではなく“骨子づくり”だけ。
図で事実関係を描く→要件のチェック→40字の結論メモ。この3点で十分。
月別ロードマップ(10か月モデル/線形ではなく“回転重視”)
| 月 | 学習内容 | ねらい |
|---|---|---|
| 1–2か月 | 行政法・民法を同時に1周(講義音声+薄読み)/各科目すぐに過去問着手 | 早期に出題の型へ慣れる |
| 3–4か月 | 行政法・民法を2周目(過去問回転率UP)/記述の骨子テンプレ習得/憲法・一般知識の基礎 | 高配点の早期完成+足切り対策開始 |
| 5–6か月 | 行政法・民法3周目(間違いだけ高速復習)/記述は骨子→週1清書/商法は頻出だけ | 得点源の精度UP |
| 7–8か月 | 横断復習(行政手続⇄不服審査⇄訴訟のつなぎ)/模試①(復習に全振り) | 実戦感覚の獲得 |
| 9か月 | 予想問題で弱点論点の穴埋め/模試②(タイム配分の確立) | 本試験の手順固め |
| 10か月 | 直前総仕上げ:条文の流れ・記述の定型文・一般知識の直近トピック | 点数に直結する最終詰め |
回転主義:各周回ごとに「できなかった問題だけ」を回すので、周回はどんどん短く軽くなります。
週・1日のスケジュール例(疲れていても回る設計)
平日:夜は最大20分
- 朝(10分):行政法の条文の流れを音読(素読)
- 通勤(30〜40分):講義音声を1.5倍で聴く(目次を見ながら“薄塗り”)
- 昼休み(10分):一問一答アプリ(間違いだけ自動反復)
- 夜(20分):過去問1〜2問の「図」と「骨子」だけ
- ① 人物と矢印で関係を描く(誰が、誰に、何を請求?)
- ② 要件をチェック(当てはめポイントのチェックリスト)
- ③ 40字の結論メモ(清書はしない)
休日:深掘りはここで
- 午前(90分):民法or行政法の過去問セット演習(時間計測)
- 午後(90分):記述は「骨子×2+清書×1」/一般知識の文章理解1日1問
- 夕方(30分):間違い問題だけアプリで回す
記録は「時間」ではなく「回した回数」で管理(例:行政法 過去問△ → 2周目20/120)。

通勤時間を活かせるかどうかが、合否を分けます。
科目別:最短で点にする学び方
行政法(最重要・配点最大)
- 手続→不服審査→訴訟を“流れ”で理解。
- 過去問は「設問のラベル化(例:聴聞/審査請求/無効等確認)」→同ラベルを束ねて復習(=迷子防止)。
- 記述は「要件→事実→結論」の順で骨子メモ化。
民法(事例が本番。図で整理)
- 各問で人物・モノ・お金の動きを矢印で描く→請求の名前を一言で付ける(解除/無権代理/時効など)。
- 条文は重要条文のみをリスト化して何度も遭遇させる(アプリ活用)。
- 記述は骨子×2・清書×1/週を休日にまとめて実施。
憲法
- 人権判例の結論と基準を「ひとこと」で言えるように。
- 統治は手続の流れ(国会→内閣→裁判所)を図で連結。
商法・会社法(深追いしない)
- 頻出テーマのみ(株式会社の機関、株式の基本、商行為)。
- 過去問10年で出た論点だけチェック。
一般知識(足切り回避最優先)
- 文章理解:毎日1問(5分)で確実な貯金。
- 情報通信・個人情報:直近の主要トピックを短期暗記。
- 政治・経済は高校レベルの要点に絞る。
直前期の過ごし方(負荷を上げずに点を伸ばす)
- 模試:本試験2か月前と1か月前の2回で十分。
点数より復習の密度(不正解の原因を1行メモ) - 記述:骨子作成(要件→当てはめ→結論)を毎回3本、清書は週1本。
- 暗記の総仕上げ:行政手続法・不服審査法のフロー、個人情報保護の要点、文章理解の毎日1問は継続。
体験談(編集部ヒアリング)
Aさん(43歳・営業)
「夜はヘトヘトなので20分限定。矢印の図と40字メモだけにすると、毎日続けられました。行政法の“手続→不服→訴訟”を流れで覚えたのが効き、模試の点が安定。8か月で合格。」
Bさん(39歳・総務・子育て中)
「通勤は音声1.5倍、家ではスマホをしまうと家族の理解も得やすい。文章理解を毎日1問やっておくと、足切りの不安が消えてメンタルが楽でした。」
よくある落とし穴と回避策
- 夜に“清書”まで求める → 続かない
→ 夜は図+骨子だけ。清書は休日。 - 完璧主義で進まない
→ 7割理解で次へ。同じ論点に何度も出会う設計が勝ち。 - 記録が“時間だけ”
→ 回転数と正答率で可視化。モチベが上がる。
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記述の添削・質問対応が期限付きで返ってくるタイプは、停滞を防ぎやすいです。骨子テンプレの指導があるかも確認ポイント。
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オンライン学習UIが使いやすいタイプを探している人向け。PC/スマホでの受講が前提です。
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図表豊富なフルカラーテキストで行政法のフロー理解がしやすい。文章理解の演習もセットで進めましょう。
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スマホ完結・音声1.5〜2倍で“薄塗り”がしやすい。通勤と家事で回せる人に向きます。
まとめ|“夜20分+回転主義”で最短合格
- 高配点(行政法・民法)に時間の7割を集中
- インプットと過去問を同時進行(薄塗り→すぐ解く)
- 夜20分は図と骨子だけ、清書は休日
- 一般知識は文章理解+情報通信で足切り回避
👉 まずは今夜20分、過去問1問を図と骨子にしてみてください。
「続く設計」に変えた瞬間から、合格までの線路に乗れます。

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