「気づけば保険料が家計を圧迫している…」
「昔入った保険のままだけど、このままでいいのだろうか?」
30代・40代は、住宅ローン、教育費、老後資金など、まとまったお金が必要になるイベントが一気に増える時期です。将来に備えるための保険が、実は過剰保障や重複契約で家計を圧迫しているケースもめずらしくありません。見直しは「いまの生活を守りつつ、必要な保障を必要なだけ残す作業」。難しい専門用語を使わずに、今日から実行できる見直しの型を、体験談とチェック表つきで解説します。
なぜ30代・40代で保険見直しが必要なのか?
保険は一度入って終わりではなく、ライフステージに合わせて着替える衣服のようなものです。家族構成・収入・貯蓄額が変われば、必要な保障額も変わります。
見直しが必要な主なタイミング
- 結婚・出産で扶養家族が増えた
- 住宅ローンを組んだ(団信の有無で死亡保障の要否が変わる)
- 転職・独立で収入や福利厚生が変わった
- 子どもの進学で教育費が増える
- 親の介護が現実味を帯びてきた
ポイント:30代・40代は「支出増+収入の変化」が同時に起きやすい。保障の過不足を定期的に調整しましょう。
保険料が高くなりやすい原因(よくある落とし穴)
- 重複契約:医療保険+共済で同じ入院給付を二重に持っている
- 過剰保障:扶養家族が少ないのに高額な死亡保障を持ち続ける
- 更新型の年齢上昇:更新型保険は、年齢が上がるごとに保険料が跳ね上がる(契約を更新するたびに年齢リスクが反映されるため)
- 外貨建て・貯蓄型の誤解:「貯まる」と思って入ったが、手数料や為替リスクで期待ほど増えない
よくある例
- 学資保険+終身保険で「貯蓄性」を二重に持つ
- 団信ありの住宅ローンなのに、独身時代と同じ死亡保障
- 40代で更新型医療保険の保険料が倍増
結論:まずは現状把握。何を、どれだけ、いくらで、いつまで払っているかを見える化するだけで、ムダの8割は見つかります。
体験談:私の“ムダ保険”に気づいた日
20代の頃の私は、未婚・持ち家なし・貯蓄少なめなのに、すすめられるまま死亡保障の大きい終身保険に加入していました。「貯まる」「安心」の言葉に背中を押されたのです。10年で支払いは100万円近く。30代で改めて家計を見直したとき、「その時点の自分に必要な保障ではなかった」とわかり、解約して定期保険+貯蓄(NISA)へ切り替えました。
この経験から得た教訓は、「保障の理由と言葉に“数字”があるか」。だれの、どの費用を、何年守るのかが数字で語れない保険は、たいてい過剰です。
5ステップでできる!保険見直しの基本手順
ステップ1:加入中の保険を一覧化する
- 商品名(保険会社)
- 保障内容(死亡・医療・がん・就業不能 など)
- 保険金額・給付額
- 保険料(月額/年額)
- 期間(終身/○歳まで)・更新の有無
- 付帯特約
コツ:スマホのメモや表計算でA4一枚に収める。1ページで全体が見えるとムダが見つかりやすい。
ステップ2:家族構成とライフプランを確認
- 扶養人数・年齢、住宅ローンの団信有無、学費スケジュール
- 緊急資金(生活費の3〜6か月分)の有無
- 会社の健康保険の高額療養費制度や傷病手当金の確認
ステップ3:必要保障額を“数字で”計算
- 死亡保障=(残された家族の生活費×年数)+(教育費)+(住宅ローン残債のうち団信で賄えない分)−(遺族年金+貯蓄)
- 医療=自己負担の目安+先進医療・差額ベッド・通院費の想定
- がん=診断時の一時金(50〜100万円など)+就労不能期間の生活費
ステップ4:重複・過剰を削る
- 団信でカバー済みの死亡保障は圧縮
- 入院日額の持ちすぎを調整(長期入院は減少傾向。一時金型でカバーする手も)
- 共済+医療保険の二重を整理
- 貯蓄型は目的(保障か資産形成か)を切り分ける
ステップ5:第三者のプロに“相見積もり”
- 保険ショップや独立系FPに同条件で3社の見積もりを依頼
- 特約は必要最小限に
- 解約・減額・切替の順番と時期を計画(無保険期間を作らない)
一目でわかる:保険整理チェック表(サンプル)
| 項目 | 今の状況 | 適正見込み | 見直し要否 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 死亡保障 | 3,000万円(終身) | 2,000万円(団信あり) | 要見直し | 終身→定期へ一部切替 |
| 医療入院 | 日額1万円+共済5,000円 | 日額5,000円+一時金型 | 重複 | 共済に一本化 |
| がん | なし | 診断一時金100万円 | 追加検討 | 家族歴あり |
| 就業不能 | なし | 月10〜15万円 | 追加検討 | 自営業になったため |
ポイント:「何のための保険か」を1行メモに書いておくと、解約・継続の判断がぶれません。
節税につながる保険の活用法
- 生命保険料控除(新・旧合わせて最大12万円が所得控除)
- 個人年金保険料控除(最大4万円)
- 地震保険料控除(最大5万円)
年末調整/確定申告で所得税・住民税を軽減できます。
ただし、“節税のためだけに保険へ加入”は本末転倒。保障が必要 → その結果として控除が使える、が正しい順番です。
保険と資産形成は役割で分ける:NISA・iDeCoの使い分け
- iDeCo:掛金が全額所得控除。節税効果が非常に大きい。60歳まで引き出せないため、老後資金専用と割り切る。
- 新NISA:利益が非課税で、いつでも引き出せる。教育費や住宅資金など将来使うお金を育てるのに向く。
- 保険(貯蓄型):保障と貯蓄が混在。手数料や解約控除に注意。「保障は保険」「資産形成はNISA/iDeCo」が基本。
結論:老後資金=iDeCo/中長期の自由度ある資金=新NISA/万一の保障=保険。役割で分ければ迷いません。
30代・40代におすすめの見直し方(タイプ別)
子育て期(小学生以下あり)
- 死亡保障:定期保険で必要年数×必要額だけ
- 医療:入院日額は少なめ+がん一時金を追加
- 学資:学資保険より新NISA(積立投信)で準備も検討
住宅ローンあり(団信加入)
- 団信でローン残債は原則カバー。死亡保障は圧縮
- 就業不能(うつ・ケガなどで働けない)リスクを所得補償で補うと安心
自営業・フリーランス
- 傷病手当金なしが多い→就業不能保険を優先
- 国民年金・国民健康保険の給付の薄さを前提に自助で上乗せ
成功事例(再現ポイント付き)
事例1:40代男性・会社員
- 見直し前:月45,000円(死亡・医療・外貨建て)
- 見直し後:月23,000円(定期保険+医療一本化+がん一時金)
- 年間26万円の削減。削減分を新NISAに積立へ回して可処分所得を上げた
再現ポイント:団信+社保の給付を可視化して、民間の上乗せを必要最小限に
事例2:30代女性・専業主婦→パート復帰
- 医療保険と共済が重複。がん保険を追加し、総額は横ばい
- 診断一時金で「働けない期間の生活費」を確保
再現ポイント:入院日額より“一時金”で、家計への直撃に備える
プロに相談するメリット(時間短縮+中立性)
- 保障の重複・過不足を第三者がチェック
- 複数社のプランで相見積もりが取れる
- FPなら、節税(生命保険料控除・iDeCo・新NISA)+ライフプランまで相談可
注意:販売系FPは特定商品の提案が中心になることも。提案の根拠(数字)を必ず確認しましょう。
低負荷・高成果:20分×7日で終わる見直しウィーク
- Day1(20分):加入中の保険証券を机に並べて写真を撮る
- Day2(20分):写真を見ながらA4一枚に一覧(商品名/月額/保障内容)
- Day3(20分):家族構成・団信・貯蓄額をメモ
- Day4(20分):必要保障額を概算(死亡・医療・がん)
- Day5(20分):重複・過剰に★を付ける(解約・減額候補)
- Day6(20分):相見積もりのため、2〜3社へ同条件依頼
- Day7(20分):乗り換え順序と日付を決め、無保険期間ゼロで切替計画
ここまでで“地図”が完成。 あとは計画に沿って動くだけです。
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PR(広告)|学び直し・見直しの相棒
- アガルート:短期集中で金融・法律の基礎を学び直し。要点主義で忙しい人向け。
- フォーサイト:図解が多く初学者でも理解しやすい。家計管理の基本から。
- スタディング:スマホ完結。通勤20分を見直しタイムに変える。
- 資格スクエア:体系学習に強み。保険×法務の整理にも。
- リクルートエージェント:福利厚生の厚い企業や時短・在宅の求人相談に。
- doda:未経験可×全国で幅広く比較。
- パソナキャリア:30〜40代の年収相談が手厚い。育児・介護と両立の求人も。
まとめ:保険は“着替える”。数字で語れない保障は手放そう
- 現状をA4一枚に可視化 → 重複・過剰を削減
- 保障=保険、資産形成=新NISA/iDeCoで役割分担
- 更新型の上昇リスク、外貨建ての手数料・為替は必ず確認
- 削減分は“将来の自分”へ:新NISAの積立に回して家計を強くする
私の一番の後悔は「気づくのが遅かった」こと。 でも、見直したその月から、家計の息が楽になりました。
今日の20分が、来年の月1万円削減につながります。まずは保険証券を並べて写真、そこから始めましょう。行動すれば、家計は必ず軽くなります。

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