「資格は取れた。でもどこに転職できる?年収は?40代でも間に合う?」
そんな不安に、実務未経験の壁/年収の現実/突破の手順まで正直にお答えします。
結論(先に):
40代の転職は「資格+業界経験(または補助者実務)」のセットが基本。
未経験でいきなり法務正社員は難しく、“補助者→専門特化→内製法務”の段階設計が最短です。
目次
行政書士取得後の主な転職先(全体像)
| 転職先 | 主な業務 | 向き・不向き | 年収レンジの“現実” |
|---|---|---|---|
| 企業法務部 | 契約書/コンプラ/許認可の社内対応 | 40代は「業界経験×法務」セットが強い | 未経験は300〜450万スタートが多め/実務者は450〜650万 |
| コンサル・士業系支援会社 | 許認可・法人設立・運用フロー構築 | 提案型・複数案件を回せる人向き | 350〜600万(成果で上下大きい) |
| 金融・保険・不動産 | 相続・遺言サポート/契約審査 | 接客・営業経験が強み | 350〜550万(専門寄せで上振れ) |
| 行政書士/弁護士事務所 | 書類作成・調査・顧客対応(補助者) | 実務の入口として最重要 | パート/契約時給1,200〜1,800円/正社員280〜380万から |
注意:上の年収は求人票と実データの中央値を意識した“現実ライン”。
「資格だけで年収600万」は即戦力クラス(業界×法務の経験者)に多い事例です。
40代の最大の壁:「未経験」と「即戦力」のギャップ
- 企業や事務所が求めやすいのは「行政書士+過去の業界実務」または「(補助者としての)実務経験」。
- “資格だけ”で法務正社員は狭き門。年収も300万円台の提示が現実的です。
打開策=段階設計
- 補助者で6〜12か月:実務経験を積む(許認可・相続・ビザなど)
- 専門特化で差別化:「業界×法務」(例:建設×許認可、不動産×契約、外国人雇用×ビザ)
- 内製法務/法務担当へ横展開:“やったことがある”を武器に転職
即戦力化しやすい“専門特化”3選(40代との相性◎)
| 領域 | 入口の作り方 | 価値の伝え方(職務経歴書) |
|---|---|---|
| 建設×許認可 | 行政書士事務所で建設業許可の補助/下請・元請の構造理解 | 「新規・更新・業種追加を×件対応。経営事項審査の書類整備。入札制度の要件整理」 |
| 不動産×契約 | 売買/賃貸の契約周辺・重要事項の論点理解 | 「売買契約書の条項比較表を整備。トラブル×種の再発防止チェックリスト作成」 |
| 外国人雇用×在留資格 | 事務所補助/企業人事のサポートで就労ビザの運用 | 「在留資格変更・更新×件。要件ヒアリング〜申請書類標準化でリードタイム短縮」 |
命題は“何の専門家か”を一行で言えるか。
例:「建設業の許認可実務に強い行政書士」/「外国人雇用に強い在留資格実務者」。
体験談(編集部ヒアリング/要約)
- Aさん(41・元営業/合格後6か月)
最初は企業法務で書類落ち。事務所のパート補助者に切り替え、建設業許可と経管要件を集中。10か月後、建設会社の法務総務へ年収380→470万。「“やったこと”の一言が効く」と実感。 - Bさん(45・人事出身)
在留資格を副業でスポット受託→実績を可視化し人事×ビザ運用の社内法務へ転職。管理職の面談力が評価され年収510万。
職務経歴書:そのまま使える“見出しテンプレ”
見出し例
【専門領域】建設業許可/経営事項審査/入札参加資格
【成果】新規・更新・業種追加 計○件(不備ゼロ/標準処理日数○日)
【仕組み化】要件ヒアリングシート/提出書類チェックリストを作成し再現性を確立
【関連経験】発注者・元請・下請の取引構造を把握、条項交渉のポイントを整理
NG:「行政書士資格を取得。意欲があります。」→抽象的。
OK:「建設業許可の更新10件。業種追加3件。入札資格更新1自治体。」→具体的数字。
求人票の“見るべき行”はここ
- キーワード:「行政書士有資格者歓迎/許認可経験者優遇/コンプライアンス」
- 業務頻度:その業務が月何件/年何件あるか(=即戦力度)
- 教育余地:「未経験可(補助から)」の明記有無
- 年収幅:下限に注目(40代未経験は多くが下限提示)
検索の工夫:
「行政書士 補助者」「許認可」「在留資格」「入札」「法務アシスタント」
40代歓迎の“入口求人”タイプ
| タイプ | 具体例 | 書類で刺さる要素 |
|---|---|---|
| 事務所・補助者 | 許認可/相続/在留資格の補助 | 速度・正確性・顧客対応(レビュー体制になじむ姿勢) |
| 業界特化の内製担当 | 建設会社の法務総務/不動産の契約審査 | 業界知識+基本的法務/改善提案の経験 |
| NPO・支援団体 | 外国人支援・相続相談窓口 | 共感力・説明力/多言語・ITがあれば強い |
応募前の“即効準備”5点セット
- 実務ポートフォリオ(匿名化)
- 例:許認可フロー図/提出物チェックリスト/標準問い合わせFAQ
- 職務経歴書に“専門領域”見出し
- 模擬面接メモ(5分で語る「最近扱った案件の要点」)
- 入社後90日プラン(改善ネタ:書式統一・FAQ・処理リードタイム短縮)
- スキル補完(Word差し込み印刷/Excel関数/クラウド管理)
副業で“実務”を作る(転職の強い弾)
- スポット受託:契約書レビュー、在留資格の更新、会社設立の定款チェックなど
- 学び→実務へ:最初は知人経由・地元団体で無料〜低額で経験を積む
- 可視化:匿名で件数・成果・標準ドキュメントをポートフォリオ化
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求人の探し方(時短ルート)
- 転職サイト:リクナビNEXT/マイナビ転職(**「許認可」「補助者」**で検索)
- ハイクラス:ビズリーチ(業界経験×法務の掛け合わせが刺さる)
- 行政書士会の掲示:補助者求人が見つかることも
- SNS/LinkedIn:事務所・企業の中の人に“補助から”の打診
よくある誤解と正解
- Q:資格があれば年収400〜600万円はいけますか?
A:未経験直後は厳しい。300万円台から入り、領域特化で引き上げが現実的。 - Q:法律の勉強を続ければ内定が出る?
A:×。企業が欲しいのは**“回せる手”**。件数・スピード・再現性を示す。 - Q:40代で事務所の補助者に今さら…?
A:◎。6〜12か月の実務ログは最強の武器。そこからの横展開が速い。
まとめ:40代の勝ち筋=補助者→専門特化→内製法務
- 資格だけではなく、“やったことがある”を増やす
- 補助者実務で可視化できる成果(件数・標準化・短縮)を作る
- 自分の過去キャリアに法務を接続して専門家ポジションを取る
✅ 今日のアクション(30分でOK)
- 求人サイトで「補助者/許認可/在留資格」を検索→3件保存
- 職務経歴書の先頭に**【専門領域】見出し**を追加
- ポートフォリオに「チェックリスト/フロー図」を1枚作る
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編集後記(感想):
取材で強く感じたのは、40代は“肩書き”より“再現性のある実務”。補助者で地味に見えるタスクでも、**「件数」「標準化」「リードタイム短縮」**に言語化すれば、企業法務は必ず評価します。焦って“何でも屋”になるより、一点特化→横展開が最短でした。あなたの過去キャリア×行政書士――その交点が、次の仕事の名刺になります。

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