合格はスタートライン。
45歳で登録した方は、最初の半年は月商10万円台。値下げ交渉に飲まれ、申請は補正続き、夜中に書き直し——正直、心が折れかけていたそうです。
そこで「資格以外の5スキル」を狙って鍛え、専門化×仕組み化へ切り替え。3か月で問合せ数が3倍、半年で月商30万→80万、1年で安定100万前後になりました。
本記事はその再現手順です。さらに次の壁(月商100万→安定化・高単価化)を越えるための提携戦略と組織化まで具体化しました。
なぜ「資格があるのに稼げない」のか(よくある落とし穴)
- 何でも屋で価値が伝わらない
- 単価設計が曖昧で利益が残らない
- 集客の仕組み(検索・紹介・SNS)がない
- 役所とのやり取りで手戻りが多い
- 法改正フォローが遅くやり直しに
ここを潰すカギが、以下の「5つのスキル+2つの拡張」です。
稼げる行政書士に共通する「5つのスキル」
| スキル | 行政書士向けの中身 | 伸びると何が起きる |
|---|---|---|
| ① 業務設計力(商品化・単価) | 申請の流れを分解→テンプレ化→パッケージ料金化 | 見積り即答/値下げ交渉が減る/粗利が読める |
| ② 客設計力(ニッチ特化×Web) | 誰に何を提供するかを一本化→ミニサイトと記事で検索に刺す | 問合せが安定/広告依存から脱出 |
| ③ ヒアリング&役所折衝 | 初回相談で必要資料を一発確定/運用差を事前確認 | 補正・再訪を削減/納期が守れる |
| ④ ドキュメンテーション&品質 | 読みやすい書式/チェック体制/電子申請・署名の標準化 | やり直しゼロ化/紹介率UP |
| ⑤ 継続学習と運用の型 | 週次で改正→テンプレ更新→全案件に展開 | 手戻り激減/単価維持・継続受任 |
5つが回ると、少ない件数でも利益が残る体質になります。
① 業務設計力(商品化・単価設定)
やること
- 依頼→必要書類→作成→提出→補正→納品をチェックリスト化
- 見積・請求・進捗メール・完了報告を定型化
- **「含む/含まない」**をパッケージに明記(追加費用の地雷を先に消す)
実例(私の価格設計)
- 建設業許可 新規:事前診断/必要書類案内/申請一式/電子申請/補正1回まで
198,000円(税別) 経審・入札は別途 - 在留資格(技人国):適合チェック/申請一式/理由書/進捗報告
120,000円(税別) 不許可時対応条件を明確化
時間売りではなく成果物売りに。これだけで値下げ圧力が激減します。
② 集客設計力(ニッチ特化×Web)
専門分野の決め方(3つの丸が重なる所)
- 需要(検索ボリューム/地域の件数)
- 自分の強み(前職・人脈・経験)
- 参入障壁(難易度・競合密度)
ミニサイトの型(小さく速く出す)
- 悩み→解決策→料金→流れ→実績→FAQ→申込み
- 記事は1記事=1検索意図(例「建設業許可 要件 札幌」)
KPI(最初の目安)
- 月相談10件 → 受任率30% → 平均単価15万円 = 月商45万円
ここから①の業務設計で粗利を上げ、100万ラインを狙う。
体験談:「建設業許可 福岡 要件」記事が上位化→自然流入2〜3件/月→半年で紹介比率3割→5割に増加。
③ ヒアリング&役所折衝
初回30分で決め切る
- 誰が/いつまでに/何を出すか
- チェックリストを即送付(迷いを消す)
役所は着手前に一本電話
- 運用差や求める書類のニュアンスを先取り
連絡は定型+画像3点ルール
- 必要写真の角度・枚数・解像度をテンプレ化
補正・往復が激減。結果、同じ時間で処理できる件数が増える。
④ ドキュメンテーション&品質管理(電子申請対応まで標準化)
- 文書は短文・見出し・箇条書きで可読性UP
- 契約書は 定義→義務→報酬→解除→損害→準拠法 の順で漏れ防止
- ダブルチェック(自分→チェック表→翌朝の自分/他者)
- 電子申請・クラウド署名を標準フローに:
- e-Gov/eLTAX 等のID管理・権限を台帳化
- 電子署名の手順書/依頼者へのクリック手順PDFを使い回し
- 郵送・対面ゼロをデフォルトに(移動コスト削減)
未来の品質=電子前提の仕組み。依頼者の手間も減り、満足度が上がります。
⑤ 継続学習と運用の型(法改正→テンプレ反映→周知)
- 週1時間を固定化(ニュース→改正点→テンプレ更新→全案件通知)
- すべてのテンプレに版番号と日付
- AIやクラウドは**「面倒を消す」用途に限定**(要約・雛形・進捗共有など)
「学んだ」で終わらせず、仕組みに落とすまでが仕事。
ここからが“次の壁”突破:2つの拡張スキル
⑥ 提携ネットワーク構築力(税理士・司法書士・社労士 ほか)
狙い:Webだけでは獲れない大型・高単価(法人顧問/事業承継/相続一式)を受ける導線づくり。
やること(90日プラン)
- 週1回:案件相性が高い士業に事例記事を持参して面談(「御社の顧客で困るこのケース、当方でこう処理できます」)
- 月1回:共同セミナー(30分×2本)→スライドを双方のサイトに掲載
- 相互紹介の条件表を作る(守秘・責任範囲・紹介料の有無)
- 提携先一覧をCRMで管理(得意分野・返答スピード)
KPIの目安
- 3か月で紹介元3先/月2件の紹介
- 平均単価:単独案件の1.3〜1.8倍(連鎖受任が起きるため)
「人の信頼」を形にする運用(条件・速度・事例共有)が肝。
⑦ 業務レバレッジ・組織化スキル(時間を買う)
切り出す仕事の順番
- 定型・非判断系(案内メール作成、台帳入力、進捗更新)→外注
- 半定型(書類ドラフト)→アシスタントに手順化
- 判断が要るコア(要件診断、役所折衝、見積・単価設計)は本人
体制サンプル(粗利が残るライン)
- 行政書士1/非常勤アシスタント1(20h/週)/記帳代行(月次)
- 目標:自分の稼働を月120h以内に抑えて月商150〜200万
- SOP(作業手順書)は動画+箇条書きで。週1回の15分定例でズレ修正
KPI
- 自分の時給(粗利÷自分の稼働時間) を毎月測定
- 30%以上を外注しても粗利60%以上を維持できているか
「自分が全部やる」の限界を超える唯一の方法が手順化と任せる仕組みです。
【体験談】「何でも屋」から「専門化×提携」で一気に楽に
- 開業3か月:何でも屋で時給換算1,200円。
- 建設業許可に一本化+198,000円パッケージを公開。
- 要件チェックPDFを無料配布(メール登録でDL)。
- 2か月で相談9件→受任3件、4か月目に月商80万。
- 半年で紹介5割へ。税理士さんと経審・入札の流れで相互紹介が発生。
- 電子申請・クラウド署名を標準化し、移動ゼロで処理数が+30%。
感想:値下げせず、「わかりやすさ」で選ばれるように。
次の伸びは提携と組織化で作れました。
今日からできる「5+2」チェックリスト
- 専門分野を1つ決める(需要×自分の強み×参入障壁)
- パッケージ(含む/含まない/価格)を書き出す
- 初回ヒアリング票と必要書類チェック表を作る
- ミニサイト+記事3本(地域×ニッチ)を公開
- 電子申請・クラウド署名の手順を台帳化
- 提携面談を週1回/共同セミナーを月1回
- 外注化リスト(定型作業)を作り、今月1つ手放す
よくある質問(FAQ)
Q. 40代からでも通用しますか?
A. 有利です。社会経験はヒアリング精度と説明力に直結します。
Q. 専門分野はすぐ決めるべき?
A. はい。まず1分野で仕組みを作り、サブを増やす方が速いです。
Q. 価格はどう決める?
A. 成果物ベースで。含む/別料金を明記し、補正対応の回数を限定。
Q. 電子申請が苦手…
A. 最初に手順書とID・権限台帳を整えれば、その後はルーチン化します。
内部リンク(さらに深掘り)




まとめ:資格+「5つの実務スキル」+「提携&組織化」=選ばれ続ける
- 稼げない原因は資格の有無ではなく、仕組みの不在。
- 業務設計/集客設計/ヒアリング・折衝/文書品質/継続運用の5つで“利益が残る型”を作る。
- 月商100万を安定化するには、提携ネットワークと組織化で高単価×処理数を同時に伸ばす。
- 専門化して、わかりやすく、早く、正確に。 その積み重ねが値下げに負けない事務所を作ります。
今日30分でOK:専門分野とパッケージの「含む/含まない」を書き出してください。そこからすべてが始まります。

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