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受け取り方を知らないと大損するiDeCo
「iDeCoを始めたけど、受け取り方なんてまだ先の話…」
そう思っていませんか?
実はiDeCoは、掛金の節税効果だけでなく「受け取り時の税金対策」こそ重要です。
同じ金額を積み立てても、退職金や年金との受け取り方によって、手元に残るお金は数十万円〜数百万円単位で変わります。
この記事では、
- iDeCoの受け取り方法(3種類)
- 退職金や年金との税制上の関係
- 30代・40代から考えるべき「賢い受け取り戦略」
を徹底解説します。
iDeCoの受け取り方法は3種類
iDeCoの受け取り方は大きく分けて以下の3つ。
- 一時金(退職金扱い)
- 一括で受け取る
- 「退職所得控除」が使える
- 退職金と同時期に受け取ると控除枠を圧迫
- 年金形式(分割受取)
- 毎年少しずつ受け取る
- 「公的年金等控除」が使える
- 他の年金と合算して課税
- 一時金+年金の併用
- 退職金控除+年金控除の両方を活用できる
- 計画的に組み合わせることで税金を最小化
👉 ポイントは「自分の退職金・年金との兼ね合い」で最適な受け取り方法が変わる、ということです。
退職所得控除と公的年金等控除の仕組み
退職所得控除
- 勤続年数に応じて控除額が決まる
- 計算式:
- 20年以下:40万円 × 勤続年数
- 20年超:800万円+70万円 ×(勤続年数−20年)
👉 例:勤続35年 → 退職所得控除=800万+70万×15=1,850万円
退職金+iDeCo一時金の合計が控除額を下回れば、税金ゼロ です。
公的年金等控除
- 年齢と年金額に応じて控除額が決まる
- 65歳以上なら最低でも 110万円が非課税
- 国民年金・厚生年金+iDeCo年金を合算して計算
👉 例:年間200万円の年金+iDeCo年金60万円=260万円
260万円−控除110万円=150万円が課税対象
ケース別シミュレーション
ケース①:退職金なし・自営業(国民年金のみ)
- iDeCoを一時金で受け取ると控除枠が小さい
- 年金形式で受け取る方が有利
👉 年金受取がベスト。国民年金+iDeCo年金を合算しても非課税枠内に収まる可能性が高い。
ケース②:会社員・退職金あり・勤続30年
- 退職金1,500万円
- iDeCo一時金500万円
退職所得控除=40万×20+70万×10=1,500万円
→ 退職金1,500万円で控除を使い切る
→ iDeCo一時金500万円は課税対象
👉 この場合、iDeCoを年金形式で受け取る方が有利。
ケース③:退職金1,000万円・iDeCo600万円
退職所得控除=1,500万円
退職金+iDeCo=1,600万円
→ 課税対象=100万円のみ
👉 この場合は一時金でまとめて受け取る方がシンプルで有利。
賢い受け取り戦略(30代・40代から考えるべきこと)
戦略1:退職金の有無をまず確認
- 退職金が多い人 → iDeCoは年金形式が有利
- 退職金が少ない人 → iDeCoは一時金が有利
戦略2:併用受け取りで控除をフル活用
- 退職金控除枠を超えそうなら、一部を年金形式にする
- 年金控除枠と組み合わせれば、課税を抑えられる
戦略3:家計全体のキャッシュフローを意識
- 教育費や住宅ローンとのバランスを考える
- 「老後資金はiDeCo」「中期資金は新NISA」と役割分担
戦略4:受け取り方は60歳になってから変更可能
- 受け取り開始前にシミュレーションして調整できる
- 年金形式の受け取り期間も選べる(5年・10年・15年など)
👉 「柔軟に対応できる」ことを知っておくのが最大の節税対策。
まとめ:iDeCoは“受け取り戦略”で差がつく
- iDeCoは「掛金の節税」だけでなく「受け取り時の税金」が超重要
- 退職金や公的年金と組み合わせて最適化すべし
- 30代・40代のうちからシミュレーションを始めれば、老後に数百万円の差が出る
👉 ポイントは「退職金とiDeCoをどう組み合わせるか」。
将来の受け取り方を意識して積み立てを続けましょう。
次のアクション
iDeCoの受け取り戦略を立てるには、まず以下を確認しましょう。
- 勤務先に退職金制度があるか?
- 想定される年金額はいくらか?
- どれくらいの掛金で積み立てるか?
そのうえで、
などで資料請求をしておくと安心です。
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