行政書士試験「多肢選択式」の傾向と勉強法|出題意図を読み解く方法(改訂版)

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43 行政書士試験「多肢選択式」の傾向と勉強法|出題意図を読み解く方法

「多肢選択式は長文がキツい…」「最後まで集中できない…」
——大丈夫。多肢選択式は長文“風”の知識問題です。出題者は、条文や判例から重要な一語(フレーズ)を抜き、“その語を入れられるか”を試しています。
つまり、読む力より“空欄を予測する力”が点に直結します。


目次

1. 多肢選択式の位置づけ(ここを外さない)

  • 全60問中3問/各8点=24点(合否に直結)
  • 行政法の手続法(行政手続法/行政不服審査法/行政事件訴訟法)が出やすい
  • 条文・判例の“要件・効果・例外・数字”の一語がよく欠落する

結論:長文読解ではなく「穴埋めの知識力」勝負


2. 出題の核は「欠落フレーズ」:よく抜かれる語たち

分類例(イメージ)ポイント
要件「○○を避ける緊急の必要」「○○に該当要件語が入れば“効果”へ進める
効果「処分の効力は○○」「請求を棄却/却下単語の取り違えで×になりがち
例外「ただし、○○の場合はこの限りでない例外一文で正誤が逆転
数字2週間/3月/6月」「2/31語違いの鉄板ひっかけ
主体処分庁/審査庁/裁判所」「委員会主語がズレると全部×

覚え方:要件→効果→例外→数字→主体の順で確認。


3. 失点原因→その場で直す

よくあるミス今すぐ直す
長文を最初から最後まで流し読み冒頭(テーマ)→空欄直前直後→選択肢だけ読む
肢を1つだけ見て決める各肢ごとに根拠行を必ず探す
「全部○/全部×」思い込み×が1つある組合せは即除外(消去法を徹底)

4. 解答の型(1問8分の回し方)

  1. 冒頭でテーマを把握(40秒)
    • どの法律?(手続法か/民法か/憲法か)
  2. 空欄直前直後を読む(60秒)
    • 空欄は**要件?効果?例外?数字?主体?**を判定
  3. 肢A〜Eの根拠探し(4分)
    • ×と言い切れる肢から消す(語尾・主体・数字を優先)
  4. 組合せを絞る(1分)
    • ×を含む選択肢を一掃→残り同士を比較
  5. 決断&マーク(20秒)
    • 迷いすぎ厳禁。保留は1つまで

5. 行政法に強くなる“フレーズ集”(まずはここだけ)

完璧でなくてOK。太字だけでも覚えると正誤が見えるようになります。

  • 行政手続法
    • 申請に対する処分不利益処分聴聞・弁明理由提示教示
  • 行政不服審査法
    • 不服申立ての対象(処分・不作為)審査請求期間教示の効力執行停止回復困難な損害公共の福祉
  • 行政事件訴訟法
    • 処分性原告適格出訴期間執行停止の要件回復困難な損害緊急の必要公益配慮)/取消判決の効力

ポイント:“要件語+公益・損害・緊急・期間・主体”が出やすい。


6. 逆算トレーニング(空欄を“先に”当てる)

やり方(5〜10分/1題)

  1. 過去問の本文をコピー(ノートでもOK)
  2. 空欄の直前3語を隠す → 何が入るか予測(要件?効果?数字?)
  3. 条文・判例でそのフレーズを確認1行メモ
  4. 1日後/3日後/7日後に再テスト(1-3-7復習)

目的:“読む”より“入れる”を鍛える。 これが多肢選択式の最短攻略。


7. 科目別・集中ポイント(社会人向けの最短ルート)

行政法(最重要)

  • 手続法3本(手続・不服・訴訟)からの出題が厚い
  • 要件→効果→例外→数字→主体のフレームで読む
  • 迷ったら執行停止/出訴期間/教示の“定番語”を疑う

民法

  • 解除/取消/無効効果の違い
  • 表見代理の要件(基本代理権の外形/相手方の善意)
  • 相続の割合(数字ひっかけ)

憲法

  • 検閲・事前抑制は原則禁止(例外は厳格)
  • 平等・自由の審査基準言い回し(語尾の違いに注意)

8. ひっかけパターン早見表(赤で写経推奨)

  • 極端語:「常に/一切/必ず」
  • 語尾:「できる」⇔「しなければならない」
  • 主体:処分庁/審査庁/裁判所/委員会の取り違え
  • 数字2週間⇔1週間、3月⇔6月、過半数⇔2/3
  • 例外:「この限りでない」一文の有無で正誤逆転

9. 体験談

38歳・営業(初学/平日45分)

長文が苦手で半分捨ててました。空欄直前だけ読む→“要件か効果か”判断に切り替えたら、本文のどこを見ればいいか迷わなくなりました。
“回復困難な損害/公益/緊急”などの語を太字メモ化。多肢は2/8点→6/8点→8/8点に。

41歳・総務(再挑戦)

組合せは×確信肢から消すルールに変更。根拠行に番号を振るだけで、見直しが一気に早く。
行政法の出訴期間と教示を比較表にしたら、ひっかけに強くなりました。


10. 学習スケジュール(平日40分・休日90分)

  • Week1:過去問を1日1題(空欄直前だけ読んで予測→答え合わせ)
  • Week2手続法フレーズ集を自作(要件・効果・例外・数字・主体)
  • Week3:模試形式(1問8分で時間感覚)/誤り肢を正しい文に言い直す
  • Week4:1-3-7復習で弱語(覚えにくい語)だけ回す

11. すぐ使えるチェックリスト(保存版)

  • 空欄は要件/効果/例外/数字/主体のどれ?
  • ×確信肢から組合せを消したか?
  • 語尾(できる/しなければならない)を確認したか?
  • 数字は1語違いを疑ったか?
  • 根拠行番号をメモしたか?

12. 関連記事


13. PR(広告)|“空欄を入れる力”を最短で鍛える

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14. まとめ|多肢は“読む”より“入れる”

  • 多肢選択式は長文風の知識問題欠落フレーズを入れられるかで決まる。
  • 空欄直前直後→要件/効果/例外/数字/主体の判定が最短ルート。
  • ×確信肢→組合せ消去で時間も短縮。
👉 今日の10分
  1. 過去問の本文で空欄直前3語を隠す
  2. 入る語を要件/効果/例外/数字/主体で予測
  3. 正解フレーズを1行メモにして1-3-7で復習

この習慣を続けると、これまで運まかせだった多肢(24点分)を、計画的に取りに行ける得点へ変えられます。

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