「知識は入れたのに、選択肢で迷う」「正誤問題に振り回される」——よくある悩みです。
五肢択一は知識 × 解き方(技術)で点が安定します。ここでは、形式別の戦い方と科目別の急所、そして時間配分の現実解を示します。
行政書士試験の勉強法を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
あわせて読みたい


行政書士試験|勉強法ガイド3ステップ【初心者でも最短合格するコツ】
「行政書士試験に挑戦したいけれど、仕事や家庭で忙しく、どうやって勉強を進めたらいいか分からない…」──そう感じる30〜40代の社会人は多いはず。 合格率は例年約10%…
目次
1. 出題の全体像(押さえるべき事実)
- 五肢択一は全60問中40問前後。配点の約6割を占める。
- メインは行政法(約19問)・民法(約9〜10問)。
- 憲法・商法は頻出条文で拾い、一般知識は足切り対策(最低3/6正答)が絶対条件。
基本方針:
- 行政法=確実に拾う/民法=パターン化して時間短縮
- 一般知識(文章理解2+情報法含む)=足切り回避を最優先
2. 失点原因 → その場で直すチェックリスト
| よくあるミス | 今日からの直し方 |
|---|---|
| 設問を読まずに選択肢へ突入 | 設問→選択肢→本文根拠の順を固定 |
| 消去法を使わず“当てに行く” | 明確に×の選択肢から消す |
| 「すべて/必ず/一切」につられる | 極端語に▲を付け、慎重に読む |
| 最新改正の取りこぼし | 直近改正の“例外”だけメモして試験前に再読 |
3. 形式別の攻略(問題の“型”に合わせる)
3-1. 正しいものはどれか
- 戦い方:×の根拠が言える肢から捨てる → 残りを本文・条文で確認
- コツ:「原則の言い回し」が正解肢になりやすい(例外で惑わせてくる)
3-2. 誤っているものはどれか
- 戦い方:確信して×と言い切れる肢を先に拾う(“確信犯”から消去)
- コツ:条文の語尾・数字・期間の“1語違い”に注目
3-3. 組合せ(ア〜オの正誤)
- 戦い方:明らかな×を1つ見つけ、×を含む組合せを一掃 → 残った候補を本文照合
- コツ:判断済の肢に○×印をつけ、選択肢を往復しない
4. 科目別“要件→効果”で解く(迷わない読み筋)
五肢択一は「要件(条件)→効果(結論)」の流れで読むとブレません。
4-1. 行政法(最重要)
- 取消/無効:
- 要件:瑕疵の性質・程度・明白性
- 効果:取消なら原則遡及なし、無効は初めから効力なし
- 数字:不服申立て・出訴期間は日数を狙われやすい
- 行政不服審査:
- 要件:不利益処分か/却下・棄却の区別
- 効果:執行停止の要件キーワード(回復困難な損害 等)
- 行政事件訴訟:
- 要件:処分性/原告適格/出訴期間
- 効果:取消判決の効力(第三者・将来効)
ひっかけ:
- “原則”の文言が正しいのに、例外を挟んで否定してくる
- 出訴期間・申立期間の数字を1語差でズラす
あわせて読みたい


行政法の攻略法|行政書士試験で得点源にする秘訣3選(保存版)
— 40代・多忙な社会人でも“効率重視”で合格点に届く実践メソッド — 「行政法が難しくて、なかなか点数が伸びない」「40代からでも本当に合格できるのだろうか」。こうし…
4-2. 民法(事例は図解して勝つ)
- 代理:
- 要件:基本代理権/顕名/本人のため
- 効果:要件欠け=本人に効果帰属せず(表見代理の要件を確認)
- 意思表示(錯誤・詐欺・強迫):
- 要件の違い → 効果(取消/無効/第三者対抗)を整理
- 債権(履行遅滞・履行不能・解除):
- 要件:責めに帰すべき事由 等
- 効果:損害賠償/解除の可否
- 相続:
- 要件:法定相続人・代襲・遺留分
- 効果:持分計算(比率でひっかけ)
事例の手順:当事者を左右に配置 → 誰が誰に何を請求? → 要件→効果で当てはめ
あわせて読みたい


民法が苦手な人必見!「要件→効果」で得点源に変える勉強法3選【行政書士・初心者向け】
「民法が全然頭に入ってこない…」「ボリュームが多すぎてどこから手をつければいいかわからない」 多くの受験生がつまずく理由は、実は量ではなく思考法です。民法は私…
4-3. 憲法
- 判例の規範(“なぜ”の部分)を一文で覚える → 言い換えに強くなる
- 言い回し:「違反しない/合憲」vs「違反する/違憲」の否定肯定の入れ替えが定番
あわせて読みたい


憲法の条文暗記のコツと頻出条文TOP10【初心者でも覚えられる】
「憲法の条文って数が多すぎて覚えられない…」そんな悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。 行政書士試験において、憲法は5〜7問前後が出題され、そのうち2〜3問…
4-4. 商法(会社法を数字で拾う)
- 特別決議=出席株主の2/3以上/株主総会招集:公開2週・非公開1週(短縮可)/取締役任期:原則2年(非公開は最長10年可)
→ 数字・期間・割合は丸暗記カードに
あわせて読みたい


商法の最短攻略法|捨てずに拾う!出るとこだけ学ぶテクニック(改訂版)
「商法は範囲が広すぎて、どこから手をつけていいかわからない…」そんな悩みはよくあります。結論はシンプル。商法は“捨てる”のではなく“低コストで拾う”科目です。出題…
4-5. 一般知識(足切り回避の動線)
- 文章理解:しかし/つまり/したがってに線 → 根拠一致で選ぶ
- 情報・個人情報保護法:定義・第三者提供(オプトアウト不可の例)・改正点だけ比較暗記
5. そのまま使える「解答ルーチン」(1問あたり約2分)
- 設問を見る(20秒):主語・客体・“正しい/誤り”を指でなぞる
- 選択肢精査(60秒):本文・条文の根拠語を探す
- 消去法(40秒):×と言い切れる肢から削る(極端語に警戒)
- 決断(20秒):迷ったら知っているルールに合う方を採用 → マーク&次へ
1分以上迷ったら一旦保留。戻る時間を最後に確保。
6. 得点効率で決める「解く順番」と時間
推奨オーダー
- 行政法(取りやすい問題を先に回収)
- 一般知識の文章理解2問(足切り保険)
- 憲法・商法(短文×数字・言い回し)
- 民法(事例は図を書き、取れるものから)
- 迷い問題の再チャレンジ
目安(180分)
- 行政法:45分
- 一般知識(文章理解含む):25分
- 憲法・商法:20分
- 民法:40分
- 見直し・戻り:50分(各科目の保留を回収)
一般知識は足切り3/6を死守。文章理解2問は確保前提で時間配分。
7. ひっかけパターン集(赤ペンでノートへ)
- 極端語:「すべて/一切/必ず/常に」→ ×の可能性大
- 語尾すり替え:「できる」と「しなければならない」
- 原則と例外の逆転:原則を例外化して不正解に
- 期間・割合の1語違い:2週間⇔1週間、過半数⇔2/3
- 適用範囲の拡大:要件が欠けているのに効果だけ主張
8. 体験談(リアル)
体験談①:38歳・営業(初学)
「“誤っているもの”は**×確信肢から消す、に変えただけで正答が安定。
民法は図にして誰が誰に何を請求かを書き、要件→効果で当てはめ。
模試の択一は6割→8割**まで上がりました。」
体験談②:41歳・総務(再挑戦)
「行政法→文章理解→憲法・商法→民法の順に固定。
会社法は数字カードで暗唱、“公開2週・非公開1週・特別決議2/3”。
本試験は一般知識の足切りを回避して、総点が一気に安定しました。」
9. 練習メニュー(平日30分/休日90分)
- 平日(30分):
- 10分:五肢択一を1問(設問→根拠→消去)
- 10分:誤り肢の言い直し(正しい文に直して1行メモ)
- 10分:数字カード(会社法)と期間カード(行政法)
- 休日(90分):
- ミニ模試10問 → 保留→回収の練習
- 間違いはひっかけパターン表に追記
10. おすすめ通信講座|“解答技術”を最短で身につける
アガルート行政書士講座(おすすめ)
- **形式別の解法動画(正しい/誤り/組合せ)**が充実
- 質問制度・添削で“誤り肢の言い直し”を即修正
- 数字カード・期間表など“小道具”が豊富で、通勤10分で回せる
あわせて読みたい


【40代からの挑戦を応援】アガルート行政書士講座で一発合格を目指せる理由(評判・口コミ・学習法を完…
「仕事や家庭で忙しいけれど、資格を取りたい」「40代から行政書士試験に挑戦するのは遅いのでは?」——そんな不安は、正しい学習法と道具選びで乗り越えられます。行政…
(参考)他講座の特徴
- フォーサイト:フルカラーでビジュアル理解に強い
- 資格スクエア:講義が分かりやすくAIサポートが充実
- スタディング:スマホでスキマ学習が可能
あわせて読みたい


失敗しない通信講座の選び方|初心者がやりがちな5つのミスと正しい見抜き方【体験談つき】
「行政書士に挑戦したいけど、どの通信講座が良いの?」仕事・家庭と両立する30〜40代にとって、講座選びは合否を左右する“最初の重要な決断”です。価格や広告だけで決…
12. まとめ|“型で解く”から、点が安定する
- 形式別の戦い方(正しい/誤り/組合せ)を使い分ける
- 要件→効果で読むと、事例問題でも迷わない
- 時間は点の出る順で配分し、文章理解で足切り回避
👉 今日の10分
- 過去問を1問だけ解く(設問→根拠→消去)
- 誤り肢を正しい日本語に言い直す
- 行政法の期間・会社法の数字カードを音読
これで、五肢択一は“運ゲー”から“固定得点ゾーン”に変わります。
社会人の行政書士試験の勉強法はこちらの記事をご覧ください。
あわせて読みたい


社会人が働きながら行政書士に合格する方法|時間がない人でもできる勉強術
「仕事が忙しくて勉強時間が取れない…」「30代・40代から挑戦しても行政書士試験に合格できるのだろうか?」 社会人が行政書士を目指すとき、最初にぶつかる壁は時間の…

コメント