「仕事が忙しくて勉強時間が取れない…」
「家事や子育てと両立しながら、本当に合格できるのだろうか?」
その不安、よく分かります。行政書士試験はおおむね合格率10%前後。必要学習時間は800〜1,000時間と言われ、数字だけを見ると尻込みしてしまいがちです。ですが、“時間の総量”ではなく“使う時間を先に決めて空けておくこと”で勝てます。この記事は、30代・40代の社会人が毎日2.0〜2.5時間を軸に最短で合格点を越えるための、実務的で再現性の高いスケジュールだけを集約しました。体験談も織り込みつつ、今日から実行できる粒度でお届けします。
社会人の行政書士試験の勉強法はこちらの記事をご覧ください。

合格逆算の出発点:配点思考で「やる順番」を決める
合格は300点満点中180点以上(かつ法令科目で122点以上が必要)。全部を完璧にする必要はありません。“どこで点を伸ばすか、どこは落とさないか”を最初にしっかり決めましょう。
| 科目 | 満点 | 現実的な目標 | 重要度(忙しい人の優先度) |
|---|---|---|---|
| 行政法 | 112 | 80点以上(得点源) | ★★★★★ |
| 民法 | 76 | 50点前後(安定得点) | ★★★★☆ |
| 憲法・商法 | 56 | 30点程度(薄く広く) | ★★☆☆☆ |
| 一般知識 | 56 | 30点以上(基準点対策) | ★★★☆☆ |
| 合計 | 300 | 190点(=60%超) |
原則
- 行政法+民法で合格点の7割を固める。
- 一般知識は基準点(足切り)を確実にクリア。内容は文章理解→情報通信・個人情報保護→政治・経済の順に。
- 「全部やる」は禁止。配点と再現性でやらない勇気を持つ。
体験談A(38歳・会社員)
「点の取りどころが見えた瞬間、迷いが消えました。行政法と民法を“太く”、一般知識は“落とさない”に切り替えたら、学習量は増やさず得点だけ上がる感触が出ました。」
忙しい人の時間設計:2.0〜2.5時間/日を仕組みで空ける
「毎日3時間」は、働きながら・子育てしながらでは非現実的。そこで2.0〜2.5時間/日を仕組みで固定します。時間は作るものではなく“空けるもの”です。
時間を空ける仕組み(例)
- 家族と合意:試験日までの期間限定の役割分担を宣言。夕食後30分は“勉強タイム”として固定。
- 残業を週1だけ減らす:これだけで年間100時間を確保。
- 家事外注・買い物の時短:週1の家事代行で3時間創出。ネットスーパー固定。
- 通勤の耳学習:音声講義を1.5倍速で予習→夜に一問一答で再生。
体験談B(41歳・営業・2児の父)
「朝活より、残業を週1減らす方が効果的でした。家族に“試験までの投資期間”と説明して協力してもらえたのが勝因です。」
年間→週→日へ落とす:3つの学習カレンダーモデル
学習期間は人それぞれ。12か月/9か月/6か月の3モデルで示します。いずれも平日2.0〜2.5時間+週末3〜4時間×2が基本線。
12か月モデル(初学者・ブランクあり向け)
- 1〜3か月:基礎講義+図解で全体像/過去問1周目=論点確認
- 4〜6か月:過去問2周目(条文番号を書く)+ミニ模試1回
- 7〜9か月:記述テンプレ導入/分野別演習/模試2回
- 10〜12か月:危険知識ゼロ化(※後述)/総合演習/一般知識の仕上げ
9か月モデル(学習経験あり・他資格経験あり)
- 1〜2か月:要点講義+条文↔問題リンク化
- 3〜5か月:過去問2周+記述テンプレ習得
- 6〜7か月:模試2回+時間配分固定
- 8〜9か月:弱点潰し/一般知識の確保領域に集中
6か月モデル(短期集中/再挑戦)
- 1か月:行政法・民法の要点講義を一気に/過去問1周
- 2〜3か月:過去問2周+記述テンプレ訓練
- 4〜5か月:模試2回+危険知識ゼロ化
- 6か月:総合演習+一般知識の文章理解・情報で上積み
週と1日の運用:当日一往復で忘れない
1週間の基本フォーマット
- 月〜水:新規講義(1テーマ20〜30分)→小テスト→図で見直す
- 木・金:過去問2周目(間違え肢ごとに条文番号を書く)
- 土:分野別演習/記述2〜3問(添削があれば提出)
- 日:危険知識ノート(正解したのに迷った問題)をゼロに
1日のルーティン(合計2.0〜2.5時間)
- 朝(30〜60分):講義1本+要点メモ
- 通勤・昼(20〜30分):音声講義の聞き直しor一問一答
- 夜(60〜90分):過去問+図で確認+記述1問(40〜60字の型)
当日一往復サイクル
講義 → 小テスト → 図で見直すをその日のうちに1回転。これだけで翌日の定着率が段違いに上がります。
体験談C(44歳・メーカー勤務)
「“正解したけど根拠が弱い”を赤付箋にして、週末ゼロにする運用に変えたら、模試の迷いが激減しました。」
科目別:点が伸びる学び方
行政法(112点)—最優先の得点源
- 図解の骨格:「処分→不服申立て→取消訴訟」を矢印で。
- 順番:条文問題>判例問題>理論問題。
- やること:条文番号を書き込む/要件→効果のテーブル化。

民法(76点)—安定得点の柱
- 流れ:「総則→債権→物権」。
- 典型論点:意思表示・代理・解除・債務不履行・不当利得・不法行為。
- やること:要件事実の穴埋めカードを自作(「要件A・B・C→効果X」)。

憲法・商法(56点)—薄く広く
- 憲法:統治分野・判例のキーワードだけ拾う。
- 商法:会社法の頻出用語(機関・設立・計算書類など)を見出し読み。


一般知識(56点)—基準点クリアが目的
- 文章理解(毎日1題・時間計測)
- 情報通信・個人情報保護(用語カードで回転)
- 政治・経済(出やすいテーマだけ薄く)
やらないこと:ニュース総なめ、大部の政治経済テキストの完読(時間対効果が低い)。


記述式:40〜60字の「型」で時短&安定
型=「設問要求 → 要件 → 効果 → 結論」。
メモ欄には要件の頭文字だけ。清書は日本語で端的に。
週2〜3問の固定ノルマ+添削で減点ポイント(具体性・因果・用語の粒度)を揃えます。
編集部の実践メモ
「結論から」→「要件」→「効果」の順で書くと、途中で時間が切れても加点が入りやすいです。

模試の使い方:点数だけでなく、「迷わず即答できた問題が何問増えたか」を毎回の模試で数える
- 本番と同じ時間配分(前半:択一/後半:記述)で固定。
- 終了直後に再現答案を作り、翌日に危険知識へ反映。
- 復習は「正解したが迷った」から。伸びしろが最大。
- 翌週までに危険知識ノートをゼロに。

よくある落とし穴と回避策(チェック式)
- 全部やろうとしている → 配点表を机に貼り、行政法→民法→一般知識の順に毎日確認。
- 正解だけど根拠が弱い → 赤付箋→週末ゼロ化。
- 一般知識で沼る → 文章理解+情報に限定。政治・経済は薄く。
- 過去問丸暗記 → 条文番号を書き、要件→効果に接続。
- 夜だけ勉強 → 朝または通勤に耳学習を足し、当日一往復を死守。
実例で見る「2.0〜2.5時間/日」の回し方
平日
- 朝:講義1本(25分)+図で要点チェック(5分)
- 通勤:音声講義の聞き直し(15〜20分)
- 夜:過去問(40分)+小テスト(20分)+記述1問(20分)
週末
- 土:分野別演習90分/記述添削2問(30分)
- 日:模試 or 総合演習120分/危険知識ノートのゼロ化30分
体験談D(39歳・事務職)
「“やらないことリスト”を先に作ったら、学習が軽くなりました。配点思考と当日一往復で、2か月目に模試が一気に伸びました。」

ツールと講座の使い分け(短評つき)
- スマホ×短尺動画×AI復習が欲しい → スタディング行政書士講座(スキマ学習の最適化に強い)
- フルカラー教材×音声講義×eラーニングが合う → フォーサイト(視覚と耳で効率良く)
- 記述添削・質問対応・合格返金制度まで欲しい → アガルート(プレミアム投資で最短突破)
- AI反復×理解重視の板書講義で基礎を固めたい → 資格スクエア(脳科学ベースの復習が便利)
編集部の視点
「価格」よりも「毎日回せる設計か」で選ぶと失敗しません。無料体験で操作感を必ず確認しましょう。
おすすめ通信講座
- アガルート行政書士講座
添削/質問/合格特典が手厚い。一発合格を狙う人に。

- 資格スクエア 行政書士講座
AIの復習最適化(脳科学ラーニング)×わかりやすい講義で、短時間でも理解が定着しやすい設計。価格と品質のバランスを重視する人に。

- フォーサイト行政書士講座
フルカラー教材+音声講義+eラーニングで理解が進む。通勤学習を習慣化したい人に。

- スタディング行政書士講座
スマホ完結/短い講義/AI復習でスキマ学習に強い。価格を抑えたい人に。

※講座選びは「時間の使い方に合うか」で判断を。無料体験やサンプル講義で確認してから決めると失敗しません。
まとめ:合格は「配点×仕組み×再現性」の3点セット
- 配点:行政法+民法で7割。一般知識は文章理解+情報で基準点死守。
- 仕組み:毎日2.0〜2.5時間を家族合意/残業調整/家事外注/耳学習で空ける。
- 再現性:当日一往復と危険知識ゼロ化で「迷って正解」を即答に。
体験談E(42歳・会社員)
「“努力量”より“設計”。配点・時間・復習のKPIを数字で管理しただけで、合格点が現実の距離になりました。」
今日からできる3つのアクション
- 配点表を印刷して机に貼り、やる順番(行政法→民法→一般知識)を固定
- 当日一往復(講義→小テスト→図で見直す)を今日から1回実施
- 無料体験で耳学習×倍速×オフラインの使い勝手をチェック(通勤がそのまま学習に変わるかを確認)
「いつかやる」ではなく、今日の20分から。
忙しい社会人の合格は、“長い時間”ではなく“設計された短い時間”の積み重ねで決まります。あなたの2.0時間/日は、合格に十分足ります。
行政書士試験の勉強法を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


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