宅建・FP・簿記の3つを取ると年収がいくらになるか、それを示した公的な統計はありません。この組み合わせだけを対象にした調査が存在しないためです。この記事では数字が出せない部分は正直にそう書き、代わりに3つの試験の条件を並べて比べていきます。
「宅建・FP・簿記のトリプルライセンス」で検索する方が知りたいのは、たいてい「3つ揃えると年収が上がるのか」だと思います。そこを最初にはっきりさせてから、実際に何が変わるのかをお伝えします。
結論:年収の統計はない。ただし3つは無関係ではない
- 「トリプルライセンス保有者の年収」を示した公的統計は存在しません。あると書いている情報は、根拠を確認してください
- 3つは「不動産」「お金の計画」「数字の読み方」という並びで、扱う対象が隣り合っています
- ただし3つとも必要な仕事は多くありません。まず1つを確実に取るほうが現実的です
3つの試験を数字で比べる
| 宅建 | FP2級 | 簿記2級 | |
|---|---|---|---|
| 受験資格 | なし | あり | 公式に制限の記載なし |
| 合格率 | 18.7% | 学科47.18% 実技56.47% | 統一15.1% ネット31.9% |
| 試験日 | 10月第3日曜 (年1回) | 随時(CBT) | 随時(ネット試験) |
| 受験料 | 8,200円 | 11,700円 | 5,500円+手数料550円 |
| 合格基準 | 50問中33点 (令和7年度) | 公式サイトで確認 | 70%以上 |
| 試験時間 | 2時間・50問 | 公式サイトで確認 | 90分・5題以内 |
※出典は記事末に記載しています。制度も日程も変わるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。
いちばん大きな違いは「いつ受けられるか」です。宅建だけが年1回・10月の第3日曜で、落ちればもう1年待ちます。FPと簿記は都合のいい日に受けられます。
「トリプルライセンスの年収」を調べても出てこない理由
年収の統計は、たいてい職業別か業種別に取られます。「宅建・FP・簿記を3つ持っている人」という区切りで調査した公的なデータは、私が確認した範囲では見当たりませんでした。
ネット上には「トリプルライセンスで年収◯◯万円」と書いた記事がありますが、その数字がどの調査に基づくのかを確認してください。出典が示されていないなら、参考にしないほうが安全です。
当サイトも、確認できていない数字は書きません。代わりに言えるのは、資格そのものより「何ができるか」で評価されるということです。宅建は不動産取引で必置、簿記は経理の実務、FPは相談業務。どれも「持っているだけ」では収入に直結しません。
3つとも必要な人は、実は多くありません
ここは正直に書きます。3つを同時に使う仕事は、そう多くありません。それぞれが力を発揮する場面はこう分かれます。
| 資格 | いちばん効く場面 | 性質 |
|---|---|---|
| 宅建 | 不動産の売買・賃貸の仲介 | 必置資格(いないと営業所が開けない) |
| FP2級 | 保険・金融・住宅ローンの相談 | 知識の証明。名刺に書ける |
| 簿記2級 | 経理・財務・管理部門 | 実務スキルの証明 |
宅建だけが「その人がいないと仕事にならない」タイプです。だから求人で名指しされます。FPと簿記は、あると評価されるが、なくても採用はされます。この差は小さくありません。
3つ揃えて意味が出るのは、たとえば不動産会社で、お客様の資金計画まで一緒に見て、会社の数字も読める立場になったときです。そこまで行ければ強いですが、そこは何年もかけて到達する場所で、資格を3つ取った翌日に手に入るものではありません。
取るならこの順番
順番を決める材料は「試験日」と「受験資格」の2つです。
- 宅建を最優先。年1回・10月しかないからです。申込は7月上旬〜下旬。ここを逃すと1年待ちになります
- 次にFP。ただし2級には受験資格があり、多くの会社員は3級から受けることになります。3級の合格率は学科86.60%・実技84.88%なので、まず1つ形にしたい人にも向きます
- 簿記は最後でも構いません。随時受けられるうえ、経理職を目指すのでなければ急ぐ理由が薄いためです
ただし「経理・財務の仕事に就きたい」なら、この順番は逆になります。その場合は簿記2級が最優先です。宅建は不動産業界以外ではほとんど評価されません。行きたい業界で順番が決まります。
簿記は「統一試験」と「ネット試験」で合格率が倍近く違います
| 統一試験(ペーパー) | ネット試験 | |
|---|---|---|
| 2級の合格率 | 15.1% (第173回・4,821人中728人) | 31.9% (33,659人中10,749人) |
| 3級の合格率 | 33.8% (14,359人中4,854人) | 44.5% (64,183人中28,546人) |
| 受けられる日 | 決まった日 | 随時 |
合格の扱いは同じです。商工会議所は「ネット試験の合格と統一試験の合格は同じ扱い」と明記しており、履歴書への書き方も変わりません。
合格率に差がある理由まで公式は説明していないので、当サイトも推測は書きません。ただ、受験日を自分で選べるぶん、準備が整ってから受けやすいという違いはあります。
3つ全部を目指す前に確認したいこと
- 行きたい業界は決まっていますか。不動産なら宅建、経理なら簿記。決まっていれば1つで足ります
- 受験料の合計は約25,000円(宅建8,200円+FP2級11,700円+簿記2級6,050円)。教材費は別です
- 宅建は年1回。3つを1年で揃える計画は、宅建の10月に全部が引っ張られます
「3つ揃えれば有利になる」より、「1つ目を確実に取る」ほうが近道です。2つ目以降は、1つ目を取ったあとに必要かどうかが自然と見えてきます。
方向が決まったら、次は講座を比べます
最初の1つが決まったなら、次にやることは1つです。選んだ資格の講座を、料金と教材で比べること。
宅建に決めた方はこちら

FPに決めた方はこちら

簿記については、当サイトにまだ講座の比較記事がありません。まずはネット試験なら随時受けられることを踏まえて、受験日から逆算してください。
別の組み合わせを考えている方へ
この記事は宅建・FP・簿記の組み合わせに絞りました。行政書士を含めた組み合わせを知りたい方は、こちらをご覧ください。

そもそもどの資格から始めるかを迷っている方は、こちらで4つを比べています。

まとめ
- 「トリプルライセンスの年収」を示した公的統計はありません。数字を見かけたら出典を確認してください
- 宅建だけが必置資格。FPと簿記は「あると評価される」タイプで、性質が違います
- 宅建は年1回・10月第3日曜。FPと簿記は随時受けられます。順番は試験日で決まります
- 簿記2級はネット試験31.9%、統一試験15.1%。合格の扱いは同じです
- 3つ揃えるより、1つ目を確実に取るほうが近道です
出典
- 宅建:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「試験実施概況(令和7年度以前10年間)」「試験概要」(2026年8月2日確認)
- FP:日本FP協会「2級・3級試験要綱」「試験結果データ」(2026年8月2日確認)。合格率は2025年10月〜2026年2月実施分
- 簿記:日本商工会議所「簿記2級 試験科目・注意事項」「受験者データ」「ネット試験について」(2026年8月2日確認)。統一試験は第173回(2026年6月14日)、ネット試験は2026年4〜6月実施分
簿記の受験資格については、公式サイトで制限の記載を確認できませんでした(2026年8月2日時点)。申し込む前に商工会議所でご確認ください。
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